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主人公は何かが始まる予感を胸に東京を離れ、海辺の町・葉山で暮らしはじめたフードスタイリスト、志田エリ31歳。大都市と郊外、何かに追いかけられるような時間と、手を動かし、ものを作るささやかな生活……自分の価値観とともに海辺に暮らす人々と出会い、少しずつ解放され自分の時間を生きはじめた女性の姿を描く、すがすがしい短編。貸しボート番のアルバイトを始めたフリーライターの淡い恋を描く「砂浜とボート」を併録。20年以上の時を経て、なおこころに響く海辺のフォークロアです。
永井宏さんは1951年東京生まれ。70年なかごろより写真、ドローイングなどによる作品を発表する一方で、各地でポエトリーリーディングやワークショップを開催しました。
「誰にでも表現はできる」とたくさんの人を励まし続け、その考えはクウネル、アノニマ・スタジオなど2000年代に生まれた〈暮らし系〉のメディアの担い手に大きな影響を与えました。
2011年4月12日に永眠、59歳でした。
巻末には20代から永井さんのワークショップに参加し、晩年まで親しく時間を過ごしていた小栗誠史さんにエッセイ「永井さんは文化の入り口」を寄稿いただきました。
美術作家であり、エッセイや詩を数多く残した永井宏さんは、数編の愛すべき小説も残していました。本書は2001年に永井さん自らが運営していたマイクロプレス「サンライト・ラボ」から出版されて以来、静かに読まれ続けてきた作品の復刊です。
信陽堂の本はこんな想いでつくられています
背中をそっと温める手のぬくもり 遠くからあなたを見守る眼差し
いつもはげましてくれる友だちの言葉
小さな声でしか伝えられないこと
本とは
人のいとなみからあふれた何ごとかを
はこぶための器
表紙は、白い紙にオフセットで写真を印刷、その周辺には淡く青を混ぜたマットニスを敷きました。印刷というよりも、染めるイメージです。
その上に文字と社名とロゴ、裏表紙のマークを活版で印刷しています。
オフセット印刷は藤原印刷さん、活版は日光堂さん、製本は加藤製本のお仕事です。
ショップスタッフからのメッセージ
これから何か新しいことに挑戦しようとしている方へ。
ページをめくるごとに風景が目に浮かんできます。
永井さんのファンの方々には必見の一冊です。
タイトル 夏みかんの午後
出版社 信陽堂
紙書籍
著者 永井宏
本のフォーマット 単行本
出版社名(カナ) シンヨウドウ
ISBN 13 9784910387062
<本について>
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